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支部の紹介



「家族の会」
35年の歩みを振り返って

 認知症の人と家族の会広島県支部(県家族の会)は、2016年(平成28年)5月に結成35周を迎えました。これもひとえに、御支援いただきました多くの皆様のお陰でございます。紙面を借りまして、厚くお礼申し上げます。
 振り返りますと、京都で家族の会が結成された翌年の1981年、「住み慣れた家で、地域で肉親を世話したい」と願う広島県内の介護家族が早川 一光先生と出会い、ご助言をいただき、県家族の会が発足しました。その後、多くの仲間(会員)と共に試行錯誤しながら広島県内48市町村への会結成を願い運動を始めました。

 この間、平岡 英三先(県立総合精神保健センター元所長)と今は亡き光田 釥先生(全国民生委員児童委員協議会元会長)には、発足間もなくから顧問にご就任いただき、地域への橋渡しの啓発活動を応援していただいてきました。
 
 その後、中村 重信先生(広島大学名誉教授)、水中 誠三先生(広島弁護士会元会長)、山口 昇先生(公立みつぎ総合病院特別顧問)、松本 昌泰先生(広島大学名誉教授)、山内 雅弥氏(中国新聞元論説委員)の各先生方に顧問としてご助言、ご指導を受けながら、今日に至っております。

 平成12年に介護保険制度がスタートして以来、認知症の人と家族を取り巻く環境は大きく変わりました。しかし、当事者本人と家族の切実な願いである「認知症になってもだれもが安心して暮らせる地域社会」の実現は、道半ばと言わざるを得ません。
 
 県・市や県・市社会福祉協議会、県医師会、県歯科医師会、県薬剤師会、など各関係機関・団体といっそう情報交換を密にし、連携を深めていく必要があります。全県的に啓発活動を進める一方で、23市町にある地区家族の会を5ブロックに分けて行っているきめ細かな活動も、ますます重要性を増しています。

 家族の会は「県認知症地域支援体制推進会議」に加え、昨年からは「医療審議会専門部会」「広島市介護保険事業運営懇談会」「地域包括支援センター運営協議会」「地域密着型サービス運営懇談会」「県8020運動推進会議」「福祉サービス運営適正化委員会」などの場に委員として参加させていただいております。また各市町でも世話人が自治体の介護保険関係委員に就任し、家族の立場で意見を述べております。

 本人・家族の思いや願いを行政・専門機関に届け、また介護経験を基に制度・サービスの改善、創設の政策提言を行うことは、家族の会が担うべき社会的責務であると確信しております。これからも「つどい」「会報」「相談」を活動の三本柱として、本人・家族と共に歩みを進めていく所存でございます。

 2017年4月には、国際アルツハイマー病協会(ADI)の第32回国際会議が京都市で開催されます。日本では13年ぶりとなる開催を機に、さらに認知症の人と家族への理解が深まることを期待しております。